小粒納豆より中粒納豆派
小さな嘘を一ついた。
他人から見れば取るに足らないような小さな嘘だが、こういう小さな悪意が積み上がると、電車に取り残されたゴミを拾う行為だけは清められないほど濁った己になってしまう。
嘘をついた理由は些細な見栄だったが、そんな虚飾のために自分に漂白できなくなりかねない汚れをつけたと思うととっても呆れてしまう。
無駄なこととわかってても、今日でこういう嘘をつくのは終わりにしようと歯磨き中に「歯磨きしてくる」と知り合いにラインを送りながら心の中で小さく誓いを立てる。
夕暮れに吹く風に秋の涼しさを感じつつ、今日という日に区切りをつける。
夕食用に買ったゴーヤの下処理を失敗したのは、小さな嘘の罰ということにしておこう。